ご挨拶

第三内科教授髙橋直人です。1990年(平成2年)秋田大学卒で第三内科に入局後、約30年間秋田県の基幹病院および大学病院で診療・研究を行ってまいりました。私たち第三内科は、血液疾患・腎臓病・膠原病の診療、研究、教育を行っています。私たちの診療分野では診断から治療まで一貫して行う広い知識と全身管理のスキルが必要です。内科領域の専門化が進む中で、総合的な視点から診療を行なうことの重要性が見直される中、私達はそれぞれの専門性を生かしつつ、総合的な内科医を目指し地域医療に貢献することをめざしています。血液疾患・腎臓病・膠原病はトランスレーショナルリサーチの最先端を走る分野であり、臨床・研究のどちらにも精通する必要もあります。研修医・内科専攻医に対するリサーチマインドの涵養に努め、これからも研究室から世界レベルの研究を発信しつづけたいと考えています。臨床・研究・教育の大学に求められるすべての面において、社会に信頼されるプロフェッショナルであると同時に豊かな人間性を常に問い続けます。そして私達は一緒にこのミッションを探求する仲間を求めています。どうぞ見学にきてください。

第三内科の沿革

医療均等化をスローガンに、1970年代後半から80年にかけて各地に医学部が新設されました。その第1号が秋田大学医学部です。内科学第三講座(第三内科)は医学部設置4年後、1975年に開講しました。初代教授は柴田昭名誉教授(その後新潟大学教授)、第二代は三浦亮名誉教授で、国立大学が独立法人に移行する変革の時期に第10代の秋田大学学長に就任され、独法化後の秋田大学の基盤を作られました。第三代澤田賢一前教授(その後第12代秋田大学学長)は赤芽球造血の基礎的・臨床的研究を推進され、自己末梢血幹細胞移植やCD34純化移植などを当科に導入しました。そして2015年からは髙橋直人が第四代目教授として当講座を担当しております。

当科は1983年に同種骨髄移植を東北地方で初めて導入し、造血幹細胞移植療法のレパートリーは、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、骨髄非破壊的移植、HLA半合致移植と広がっています。一方、腎生検による病理診断に基づいた治療法の提供を1979年から県内医療機関に対して広く行い、現在まで約10,000例の腎生検標本すべてが良好に保存され、その経験と解析データが日常診療に役立てられています。血液内科学、腎臓およびリウマチ内科領域において全国の医療施設と協力し、新たな治療法を開発し社会貢献を果たして行きたいと考えています。

▲ 高橋教授就任祝賀会にて
左から故 柴田昭初代教授、澤田賢一第三代教授(元秋田大学学長)、髙橋直人教授、故 三浦亮第二代教授(元秋田大学学長)